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開発中の設計における TI の TVS ダイオードの利点
低い静電容量
TVS ダイオードで構成された TI の TSM ファミリを採用すると、SMA パッケージ封止の一般的な部品に比べて、TVS の静電容量を半分に抑えることができます。
Flat-clamping
TI の TVS ファミリは、Vrwm (逆方向最大動作電圧) をわずか 7V 上回る値で電圧をクランプすると同時に、145W の 10/1000 パルス (8/20μs の ESD 向け規定に比べて、より低速でよりエネルギーの大きいサージなどの事象向け規定) に対する保護を実現します。TVS ダイオードは、USB-C の Vbus ラインや ADC の I/O ラインなどの保護に適しています。
直接差し替え可能な用途向けに、パッケージ オプションを拡大中
TI は SOD-323 のような一般的なパッケージに封止した製品の拡充も進めています。そのため、既存設計のレイアウトを変更せずに、TI の製品の利点を活用できます。
TVS ダイオードの革新
データ レート高速化に対応できる保護機能
TVS ダイオードは、通常動作時に信号に影響を及ぼさずに (不可視性)、データ ラインを保護することを目的としています。保護能力を確保したうえで静電容量を小さくするほど、この不可視性を維持すると同時に、ダイオードが保護できるデータ レートがいっそう高くなります (TVS ダイオードは静電容量の要因が強い素子です。コンデンサのインピーダンスは1/2πfC であり、静電容量 C が一定のまま周波数 f を高くするとインピーダンスが小さくなり、通常動作時により多くの電流が TVS ダイオードに流れて信号が変化し、不可視性が低下します。それに対し、f の高周波化に対応して C を小さくできれば、インピーダンスは変化しません。後は、小さい C で保護を実現するために製品の仕様と設計時の検討が重要になります)。システムの通信ラインを経由するデータのスループットが高速化を続ける現状で、従来から使用していた TVS ダイオードが、そのスループットに対応できる静電容量であるかどうか評価することが重要です。TVS ダイオードで構成された TI の TSM ファミリを採用すると、SMA パッケージ封止の一般的な部品に比べて、TVS の静電容量を半分に抑えることができます。
大きいサージ、小さい妥協 (信号品質の低下など)
大半の TVS ダイオードでは、動作電圧とクランプ電圧の間に 10V を上回るギャップがあります。このギャップは、ダイオードが効果的に保護を実現できるようになるまで、ダイオードよりダウンストリーム (下流) にある各種 IC が所定のライン電圧を 10V 以上上回る電圧に対処する (クランプ ダイオードを内蔵するか、耐電圧規定を大きくする) 必要があることを意味します。それに対し、TI のフラット クランプ ダイオードはこのギャップを小さくしているほか、サージ事象が発生している間もクランプ電圧を一定の値に維持します。